錯誤【民法改正】

錯誤
- 意思表示は、次のいずれかの錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
ア 意思表示に対応する意思を欠くもの
イ 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反するもの - (1)のイの錯誤による意思表示の取消しは、当該事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
- (1)の錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次のいずれかに該当するときを除き、(1)による意思表示の取消しをすることができない。
ア 相手方が、(1)の錯誤があることを知り、又は知らなかったことについて重大な過失があるとき。
イ 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。 - (1)による錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
錯誤の要件
下記2つの要件を同時に満たすこと
- 「ア)意思表示に対応する意思を欠くもの」もしくは「イ)表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反するもの(動機の錯誤)」のどちらかを満たす
- 法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき
錯誤の効果
錯誤が認められると、「取り消す」ことができます。
例外
上記錯誤の要件を満たしていても、「表意者に重大な過失がある」場合は、錯誤による取り消しはできません。
しかし、この例外にも例外があり(例外の例外)、「ア)相手方が、錯誤について悪意もしくは重過失があるとき」もしくは「イ)相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき」は、重大な過失をおかした表意者であっても、この表意者を保護して、錯誤による取り消しができます。
第三者との関係
錯誤による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができません。つまり、悪意もしくは有過失の第三者に対しては錯誤取り消しを主張できます。