債権譲渡禁止特約と供託【民法改正】

譲渡制限の意思表示が付された債権の債務者の供託
- (ア) 債務者は、金銭債権について譲渡制限の意思表示をした場合において、その金銭債権が譲渡されたときは、その譲渡された金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債権者の現在の住所が債務の履行地である場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。イにおいて同じ。)の供託所に供託することができる。
(イ) (ア)の規定により供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人及び債権者に供託の通知をしなければならない。
(ウ) (ア)の規定により供託をした金銭は、債権者に限り、還付を請求することができる。 - 1(ア)に規定する場合において、譲渡人について破産手続開始の決定があったときは、下記規定(※1)にかかわらず、債権者(その金銭債権の全額を譲り受けた者であって、その金銭債権の譲渡につき第三者に対抗することができるものに限る。)は、債務者にその金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託させることができる。この場合においては、1(イ)及び(ウ)の規定を準用する。
※1 譲渡制限の意思表示があることを知り、又は重大な過失によって知らなかった第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができるほか、譲渡人に対する弁済その他の当該債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
譲渡禁止特約がついている場合の債務者の供託
まず、今回の法改正により、債権譲渡があった場合、債権譲渡禁止特約がついていても、債権は確定的に譲受人に帰属することとなります。
ただし、債務者は譲受人が悪意・重過失であれば譲渡人に対して弁済をすることができるのですが、譲受人が悪意か重過失かは主観による部分もあるので、どちらに弁済すればいいか分からない場合もあります。そのため、債務者は供託できるわけです。
供託した旨の通知
供託をした債務者は、遅滞なく、「譲渡人」及び「債権者(譲受人)」に供託の通知をしなければなりません。
誰が還付請求できるか?→譲受人
上記のとおり供託をした金銭は、債権者(譲受人)のみ、供託所に対して還付を請求することができます。なぜなら、一番上でも解説したとおり、「債権は確定的に譲受人に帰属するから」です!
個別指導では、さらに、具体例をつけてわかりやすく解説しています!
譲渡人が破産手続開始の決定を受けた場合
譲渡人が破産した場合に、譲受人において債務者に対して供託請求ができるとしています。これも理解すれば当然のことです!これも個別指導で解説します!