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土地区画整理法

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目的

狭く曲がりくねった道路や不整形な土地を、土地区画整理事業によって碁盤目状の使いやすい土地にすることを目的としている

土地区画整理事業とは?

  • 都市計画区域内でのみ行われる
  • 公共施設(道路や公園等)の整備と改善を行い、宅地の利用促進を行うための宅地造成工事

土地区画整理事業のイメージ図

換地照応の原則

上図のように「従前の宅地(a~d)」と「換地(A~D)」の位置・地積・利用状況・環境等が照応するように、換地計画で換地を定めなければならない原則を「換地照応の原則」という。

言葉の意味

宅地 公共施設のために使われている国または地方公共団体が所有する土地「以外」の土地
農地や山林も「宅地」に該当する
※宅建業法上の「宅地」とは意味が異るので注意!
施行地区 土地区画整理事業を施行する土地
施行区域 土地区画整理事業について都市計画区域で定められた区域。
この施行区域内の土地区画整理事業は、都市計画事業として施行される。
減歩(げんぶ) 道路を広げたり、新たに公園などを設置するということは、宅地の面積は、土地区画整理前よりも小さくなります、これを減歩といいます。
土地面積は小さくなりますが、単位面積あたりの評価額は上がるので、損をするわけではない
保留地(ほりゅうち) 一般的に土地区画整理事業を行う場合、多額の費用が必要です。その費用を捻出するために、一部の土地を誰にも割り当てず、売却して事業費用に充てるための土地
精算金(せいさんきん) 「従前の宅地」と「換地」との間に不均衡がある場合に、交付されたり徴収されたりする金銭。
従前の宅地の価格が1000万円で、換地が1100万円であれば、100万円徴収され
従前の宅地の価格が900万円で、換地が1100万円であれば、200万円徴収される
従前の宅地 土地区画整理前の土地のことで、上図のa~dを指す
換地(かんち) 土地区画整理事業後に新たに割り当てられる、区画整理された土地で、上図のA~Dを指す
仮換地 土地区画整理完了前であるが、区画整理された土地をいう。工事が終わった部分については建物を建てても支障がないので、その部分については仮換地を指定する。
(仮換地は大規模な土地区画整理事業で行われる)

事業の施行者

土地区画整理事業を行っていく者を土地区画整理事業の施行者と言い、下記の4者が「事業計画等」を定め、都道府県知事の認可を受けて施行します。

個人施行 宅地の所有者・借地権者が1人または数人が共同して行う
組合施行
  • 宅地の所有者・借地権者が7人以上で組合を設立して行う
  • 宅地所有者及び借地権者の3分の2以上(人数と地積)の同意が必要
  • 施行地区内の宅地所有者及び借地権者は強制的に組合員となる
  • 施行地区内に未登記の借地権を有する者は市町村長に申告しなければならない
区画整理会社施行
  • 宅地の所有者・借地権者を株主・社員とする株式会社
  • 宅地所有者及び借地権者の3分の2以上(人数と地積)の同意が必要
公的施行
  • 国土交通大臣、都道府県、市町村、地方住宅供給公社、都市再生機構等が施行するもの
  • 事業ごとに土地区画整理員会が置かれる

都市計画事業と土地区画整理事業の関係性

  • 公的施行者が、土地区画整理事業を行う場合、必ず都市計画事業として行うため、都市計画で定められた施行区域内でしか行えない
  • 個人施行・組合施行・区画整理会社施行として土地区画整理事業を行う場合、都市計画区域内であればどこでも施行することができる

土地区画整理事業の流れ

土地区画整理事業の流れ:土地区画整理法

建築制限

「事業計画等の認可に関する公告」があってから、「換地処分の公告」があるまでの間は、土地区画整理事業の工事を行う段階なので、事業の施行の恐れのある下記行為を行う場合、都道府県知事等の許可が必要です。

  • 土地の形質の変更
  • 建築物その他工作物の新築、改築、増築
  • 重量5tを超える物件の設置・堆積

そして、施行者から上記許可の申請があった場合、施行者の意見を聞かなければなりません。

換地計画

  • 施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を作成しなければならない
  • 換地計画の作成にあたって、施行者ごとに下記手続きが必要
    個人施行 宅地の所有者・借地権者等の同意が必要
    組合施行 総会の議決が必要
    区画整理会社施行 宅地の所有者・借地権者等の3分の2以上(人数と地積)の同意が必要
    公的施行 土地区画整理審議会の意見を聴くことが必要

換地計画の認可

施行者が「個人施行者・組合・区画整理会社・市町村または機構等」の場合は、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。

仮換地

土地区画整理事業を開始してから、終わるまでに長い場合、数年かかる場合があります。そして、原則、工事が全て終わってからでないと、換地処分は行えず、換地処分を行った後でないと、建物の建築が難しいです。しかし、工事が完了した部分について使用できないのは、もったいないので、工事が終わった部分から、仮に建物の建築ができるように「仮換地」の指定が行われます。

仮換地の方法

仮換地の指定は、「仮換地となるべき土地所有者」および「従前の宅地の所有者」に対して、仮換地指定の効力発生日を通知して行います。

仮換地の効果

A所有の甲地の仮換地として、B所有の乙地が指定された場合を考えます。

仮換地の指定の効果

  • 上図のとおり、Bは乙地について仮換地の指定を受けたので、Bは乙地を使用収益する(使う)ことができない
  • 事例では記述されていないが、Bは別の土地について仮換地の指定を受けるので、そこを使用収益することができる
  • ただし、所有権等の権利関係に変動はないので、Bは甲地について仮換地の指定を受けても、Bは甲地を処分(売却)することができる

仮換地指定の効力発生日と使用収益開始日

少しややこしくなりますが、「仮換地指定の効力発生日」だけ定めると、上でも解説したとおり、効力発生日からAは、甲地を使えない代わりに、乙地を使用収益できます。

しかし、もし、「使用収益開始日」を別に定めた場合は、Aは乙地を使用収益開始日からしか使用できません。つまり、効力発生日になれば、Aは甲地を使用することができなくなり、効力発生日まで乙地も使用できません。したがって、「効力発生日」~「使用収益開始日」まで甲地も乙地も使用できません。

仮換地の指定の効力発生日と使用収益開始日

使用収益の停止

換地計画で、換地を定めない場合もあります。その場合、仮換地の指定もされません。そして、施行者は、換地を定めないこととされている宅地の所有者等に対して、期日を決めて、従前の宅地についての使用・収益を停止させることができます。

使用収益されなくなった土地の管理

仮換地の指定や、使用収益の停止により、使用収益する者がいなくなった従前の宅地については換地処分の広告宣伝費のある日まで、施行者が管理します。

仮精算

施行者は、「仮換地を指定した場合」や「使用収益することを停止させた場合」、必要があると認めるときは、仮に、精算金の徴収や交付をすることができます。

換地処分

  • 換地処分とは、区画整理後に新しく造成した宅地をそれぞれの権利者に割り当てること言う。
  • 換地処分は原則、換地計画にかかる区域全部についての土地区画整理事業が終わった後に、遅滞なく行う
  • 上記例外として、規約や定款等に別段の定めがある場合は、全部の工事が終わる前でも換地処分は可能
  • 換地処分は、関係権利者に通知して行う
  • 施行者は換地処分をした場合、遅滞なくその旨を知事に届け出なければならない
  • 上記届出を受けた知事は換地処分があった旨を公告しなければならない
  • 国土交通大臣が換地処分をした場合は、国土交通大臣が自ら公告しなければなららない

換地処分の効果

「換地処分の公告日」と「公告日の翌日」で色々変わってきます。

権利関係
(所有権や抵当権)
「換地処分の公告日」まで従前の宅地に存在していた所有権等は、「公告日の翌日」から、換地(新しい土地)に移る(地役権は除く)
地役権 原則、従前の宅地に存続する。例外として、事業の施行により行使する必要のなくなった地役権は消滅する
精算金 換地処分の公告日の翌日に精算金が確定する
保留地 換地処分の公告日の翌日に、保留地は施行者が取得する
公共施設の管理 換地処分の公告日の翌日に、原則、市町村が管理する
公共施設用地の帰属 換地処分の公告日の翌日に、原則、その公共施設を管理するもの(国、都道府県、市町村)に帰属する

換地処分に伴う登記

  • 施行者は換地処分の公告後遅滞なく、変動した登記を申請または嘱託しなければならない
  • 上記の登記があるまでは、変動があった土地や建物についての他の登記をすることができない