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国土利用計画法(事後届出)

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目的

土地の投機的取引および地価高騰を抑え乱開発の未然防止遊休土地の利用促進を通じて、総合的かつ計画的な国土の利用を図ること

※投機的取引とは、転売して大きな利益を得ようとする目的の取引

土地取引の規制方法

国土利用計画法において、土地取引を規制する方法は大きく分けて2つあります。そして、届出制については注視区域や監視区域内の土地取引を規制する「事前届出制」とそれ以外の全国の区域の土地取引を規制する「事後届出」の2つがあります。

規制区域内 許可制
規制区域外 届出制 注視区域・監視区域内 事前届出
届出制 上記区域外の全国の区域 事後届出

届出や許可の対象となる土地取引とは?

事前届出や事後届出、許可が必要な「取引」とは、「①権利性」「②対価性」「③権利性」の3要件を全て満たす取引を指します。

権利性 土地に関する権利(所有権、地上権、賃借権など)の移転または設定のことで、これらの要求する予約完結権や買戻権なども含まれます。
対価性 土地に関する権利の移転または設定について対価の授受がある。
契約性 土地に関する権利の移転または設定を契約によって行う。

上記3つ満たす取引(届出や許可の対象となる土地取引)の具体例には以下のようなものがあります。

許可・届出対象の取引の事例
  • 売買、交換、売買予約、保留地の売却
  • 代物弁済、代物弁済予約、譲渡担保
  • 権利金の授受のある地上権、賃借権の設定・移転
  • 譲渡担保
  • 共有持分の譲渡
  • 予約完結権の譲渡、買戻権の譲渡、所有権移転権の譲渡等

届出や許可の対象とならない土地取引とは?

逆に、届出や許可の対象とならない土地取引の具体例は以下の通りです。

許可・届出対象外の取引の事例
権利性がない 抵当権設定、質権設定、地役権設定、永小作権設定、使用貸借権設定
対価性がない 贈与、信託契約、権利金の授受のない地上権、賃借権の設定・移転 相続、換地処分、土地収用
契約性がない 予約完結権の行使、買戻権の行使

届出・許可不要となる例外

  1. 農地法3条1項の許可を受ける場合
  2. 民事調停法の「民事調停」や「和解」に基づく場合
  3. 滞納処分、強制執行、担保権の実行による競売による場合
  4. 非常災害の応急措置として行われる場合

【注意】
農地法5条許可を受ける場合(農地を宅地に転用する目的の売買)は、例外ではなく、届出が必要な取引の対象です。

届出が不要となる例外

  1. 取引の当事者の一方もしくは双方が「国・地方公共団体・地方住宅供給公社等」である場合
  2. 下記一定面積未満である場合(下記参照)

届出不要となる一定面積とは?

市街化区域 2,000㎡未満
市街化調整区域・非線引都市計画区域 5,000㎡未満
都市計画区域外 10,000㎡未満

一団の土地とは?

個々の土地取引が上記一定面積未満であっても、、物理的一体性・計画的一体性を持った土地取引の場合は合計面積を一団の土地として、判断基準にします。

例えば、マンションを計画するために、2,500㎡の土地が必要で、市街化区域内の甲地1,500㎡を購入後、続いて隣の市街化区域内の1,000㎡の乙地を購入する場合、この2つの取引は、物理的一体性と計画的一体性を持つため、一つの土地(一団の土地)として、扱います。つまり、個々の土地取引では、市街化区域内2,000未満の土地取引ですが、一団の土地をみなすため、合計2,500㎡で判断するわけです。つまり、市街化区域内の2,000㎡以上の土地取引なので、届出が必要なります。

事後届出

宅建試験では、事後届出からの出題がほとんどで、「注視区域内および監視区域内における事前届出」や「規制区域内の許可制」についての出題はほとんどないので、事後届出性だけ解説していきます。

事後届出の手続き

一定規模以上の土地について土地取引をした場合、権利取得者は、契約締結日から2週間以内に、土地の所在地を管轄する市町村長を経由して、都道府県知事(指定都市の場合、その都市の市長)に対して一定事項の届出が必要です。

届出義務者 権利取得者(買主や借地権者等)
届出期間 契約締結日から(契約締結後)2週間以内
届出先 都道府県知事(土地所在地を管轄する市町村長を経由)
届出事項
  • 契約当事者双方の氏名・住所
  • 契約締結年月日土地の所在および面積
  • 土地に関する権利の種別・内容
  • 土地の利用目的
  • 対価の額

事後届出に対する「勧告」

  • 都道府県知事(以下「知事」)は、届出があった場合、「土地の利用目的」を審査し、土地の利用目的について変更の勧告ができます。
  • 知事が勧告できるのは、届出があった日から3週間以内
  • 上記3週間以内に勧告できない理由があるときは、さらに+3週間の範囲内で勧告できる期間を延長できる
    この場合、延長期間及び理由を通知しなければならない
  • 知事は、必要があると認める場合、勧告を受けた者に対して、勧告に基づいて講じた措置の内容を報告させることができる
  • 勧告に従わない場合、知事は、その旨を公表することができる(任意)。(罰則はない契約も有効
  • 勧告に従う場合(土地の利用目的を変更した場合)、必要があると認める場合、知事は、あっせん等の措置を講ずるよう努めなければならない
勧告できる者 都道府県知事
勧告期間 届出があった日から3週間以内(さらに+3週間延長できる)
勧告内容 土地の利用目的の変更
勧告に対する報告 勧告してどうしたかを報告させることができる
勧告に従わない場合 知事は公表できる(罰則なし、契約は有効)
勧告に従う場合 知事は必要に応じて、斡旋等を措置を講じる努力が必要(努力義務)

事後届出に対する「助言」

  • 知事は、届出をした者に対して、届出に係る土地の利用目的について、必要な助言を行うことができる
  • 助言については助言できる期間は決まっていない(いつまでも助言できる)
  • 助言に従わなかったとしても、公表もされないし罰則もない
助言できる者 都道府県知事
助言期間 制限なし(いつまでも助言できる)
助言に従わない場合 公表なし・罰則なし