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物権変動のポイント

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物権変動とは

Aが自分の土地に建物を新築すれば、所有権が発生する。
AがBに建物を売れば、所有権がAからBに移る。
地震で建物が滅失(倒壊など)すれば、所有権が消滅する。
このように、物権の変動とは、物権が契約その他の原因によって、物権が「発生」したり、「変更」したり「消滅」したりすることをいう。

宅建を勉強している方の多くは、物権変動を「二重譲渡のようなものだけ」と思われていますが、そうではない。

 

物権変動の要件と時期

物権変動の要件 原則、意思表示(契約を)するだけで生じる。
これは、当事者(売主と買主だけ)のルール。
第三者に対しては二重譲渡のルールが適用。
物権変動の時期 原則、意思表示(契約を)した時に所有権が移転する。
つまり、所有権の移転登記がされていなくても、売主から買主に所有権は移転する。
例外 特約があれば、特約に従う。
例えば、「代金全額を支払うと同時に所有権が移転する」と特約した場合、契約時に所有権が移転するのではなく、特約通り、代金全額を買主が支払ったときに所有権が移転する。

二重譲渡による物権変動

例:A所有の土地について
AがBに売却した後に、AがさらにCに売却した場合どうなるか?

B←――A――→C
第一譲受人   第二譲受人

BおよびCについて先に登記した方が土地の所有権を主張できる。
(=先に登記をした方が勝つ:対抗できる

民法177 不動産に関する物権変動は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

第三者に該当しない者
①背信的悪意者
②無権利者
③不法行為者
④不動産の前主(前の持ち主)
⑤相続人
など

 

解除による物権変動

解除前の第三者

①AがBに売却
②その後、BがCに売却
③その後、AB間で契約解除

③解除
A―――→B―――→C
①売却  ②売却

この場合、AおよびCは先に登記した方が勝つ

 

解除後の第三者

①AがBに売却
②その後、AB間で契約解除
③その後、BがCに売却

②解除
A―――→B―――→C
①売却  ③売却

この場合も解除前の第三者と同様、AおよびCは先に登記した方が勝つ。

解除前の第三者との関係 登記を備えた方が所有権を主張できる
解除後の第三者との関係 登記を備えた方が所有権を主張できる

詐欺取消しによる物権変動

詐欺取消し前の第三者

①AがBに売却
②その後、BがCに売却
③その後、Aが詐欺を理由に契約取消し

③詐欺取消し
A―――→B―――→C
①売却   ②売却

この場合、Cが善意であれば、Cが保護され、Cが悪意であれば、Aが保護される。
つまり、詐欺を受けたAは善意の第三者に対抗できない。

 

詐欺取消し後の第三者

①AがBに売却
②その後、Aが詐欺を理由に契約取消し
③その後、BがCに売却

②詐欺取消し
A―――→B―――→C
①売却   ③売却

AおよびCは先に登記した方が勝つ。

詐欺取消し前の第三者との関係 詐欺を受けた者は善意の第三者に対しては対抗できない
詐欺取消し後の第三者との関係 登記を備えた方が所有権を主張できる

 

強迫取消しによる物権変動

強迫取消し前の第三者

①AがBに売却
②その後、BがCに売却
③その後、Aが強迫を理由に契約取消し

③強迫取消し
A―――→B―――→C
①売却   ②売却

この場合、強迫された者を保護する。
そのため、Cが善意であってもCは保護されない。

 

強迫取消し後の第三者

①AがBに売却
②その後、Aが強迫を理由に契約取消し
③その後、BがCに売却

②強迫取消し
A―――→B―――→C
①売却   ③売却

AおよびCは先に登記した方が勝つ

強迫取消し前の第三者との関係 強迫を受けた者は善意の第三者に対しても対抗できる
強迫取消し後の第三者との関係 登記を備えた方が所有権を主張できる

 

時効による物権変動

時効完成前の第三者

①BがA所有の土地を占有
②その後、Aが土地をCに売却
③その後、Bの時効が完成

A―――→C―――→B
②売却  ③時効完成

この場合、時効取得者Bは登記なくしてCに土地の所有権を主張できる
=BはCに勝つ

 

時効完成後の第三者

①BがA所有の土地を占有
②その後、Bの時効が完成
③その後、Aが土地をCに売却

B←――――A――――→C
②時効完成  ③売却

二重譲渡の対抗関係になるので、BおよびCは先に登記した方が勝つ

時効完成前の第三者との関係 時効取得者は登記なくして第三者に対抗できる
時効完成後の第三者との関係 登記を備えた方が所有権を主張できる

 

共同相続で一人が無断譲渡

①Aが死亡し、BとCが甲土地を共同相続した
②Bが勝手に甲土地の全部をDに売却した
この場合、CはDに対抗できるのか?

BはCの持分については無権利者。
つまり、Bが甲土地を売却すると、Bの持分については有効に売却できるが、Cの持分については無権利。
そのため、Cは自分の持分については登記なくしてDに対抗できる