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時効(取得時効・消滅時効)のポイント

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時効とは

ある状態を一定期間継続していたら、その状態を認めてしまおうというのが「時効」。
時効には「取得時効」と「消滅時効」の2つがある。

時効の完成と時効の援用

時効の完成とは、時効の期間が満了することを言います。

時効の援用とは、「時効だから、この土地は私のものです!(取得時効)」とか「時効だから、お金を貸した人が持つお金を請求する権利を消滅させます!(消滅時効)」と主張することです。

単に時効期間が満了(時効が完成)するだけでは権利が消滅したり、権利を得たりすることはできません。
援用することで時効の利益を受けられます。

 

取得時効

他人の土地を自分の土地と信じて一定期間使っていると、本当に自分の土地になる。
この制度が取得時効。

 

取得時効の成立要件

所有の意思がある
②他人の不動産を平穏かつ公然に占有している(暴力によらず、また、隠さず)
③一定期間占有している
悪意または有過失で占有→20年
占有開始時に善意無過失で占有→10年

不動産の賃借人は賃貸借契約に基づいて不動産を占有しているので、所有の意思は認められない

 

代理占有

直接占有していた者Aが、他人Bに占有してもらう場合(Bは賃借人)も占有が認められる
そのため、Aが他人の土地を所有の意思を持って、平穏かつ公然に善意無過失で6年占有し、Bにその土地を賃貸し、4年が経過すれば、Aの取得時効が完成する。

 

占有の承継

他人の不動産の売買や相続により占有を引き継いだ者は前占有者の状態を承継することができる

例えば、Aが他人の土地を所有の意思を持って、平穏かつ公然に善意無過失で6年占有し、BがAからその土地を買い受けた場合、「善意無過失」と「6年間」をBが引継ぐため、4年が経過すれば、Bの取得時効は完成する。

 

取得時効と物権変動(時効取得前の第三者と時効取得後の第三者)

時効取得前の第三者 時効完成前に不動産を買い受けた者に対して、占有者(時効取得者)は登記なくして取得時効を対抗できる。
=占有者の勝ち
言い換えると、不動産を買い受けた者が登記をしていても、時効が完成した占有者には勝てないわけです。
時効取得後の第三者 時効完成後に不動産を買い受けた者と占有者(時効取得者)は先に登記をした方が所有権を取得する
=登記をした方が勝ち

 

消滅時効

権利を行使せずに、放っておくと、権利がなくなってしまう制度が消滅時効。

一般的な債権(貸金債権、代金債権)10年間、権利を行使をしないと時効で権利が消滅する。

 

いつから時効は開始するか?(消滅時効の起算点)

確定期限付債権 期限が到来した時から時効開始
不確定期限付債権 期限が到来した時から時効開始
期限の定めのない債権 契約が成立した時から時効開始

例)確定期限とは、「10月10日」のように、いつかがはっきりしている期限。
この場合、10月10日が来れば時効が開始する。

例)不確定期限とは、「父が死んだら」のように、いつかは前もって確定していないが、必ずくる期限。
この場合、父が死んだときから時効は開始する。

例)期限の定めの債権とは、お金の貸し借りの契約で、いつ返すかを決めなかった場合。
この場合、契約した時から時効は開始する。

 

開始した時効は止まらないのか?(時効の中断事由)

時効が開始しても、ある一定の状況になると時効は振り出しに戻ります。それを時効の中断と言う。
どういった場合に時効は中断するか?

裁判上の請求
裁判を起こすと、時効は振り出しに戻ります。
また、裁判を起こす前に、内容証明郵便などで催告(請求)をしていた場合、催告後6ヶ月以内に裁判を起こすと、催告をした時点から時効は中断します。
差押え仮差押え仮処分
債務者の承認

例えば、お金の貸し借りで、お金を貸した者が10年間、裁判などの時効の中断を行わないとお金を請求する権利(貸金債権)が消滅します。
そのため、その間に裁判を起こしたりすると、時効が振り出しに戻り、また10年間は権利が存在することになる。

 

裁判によって時効が中断するとどうなるか?

裁判上の請求(訴えの提起:裁判を起こすこと)によって時効が中断すると、判決が確定したときから再度時効が進行する。
消滅時効の期間10年となる。