宅建のすべて 宅地建物取引士資格試験に関する情報を公開!

契約解除・解除権

宅建通信講座メルマガ


一度契約すると、基本的には、その後に、「やっぱり、買うのを(売るのを)やめた!」というのはできません。
しかし、「やっぱり、買うのを(売るのを)やめた!」という風に契約解除することができる場合もあります。
契約解除ができる事由については、下記3つがあります!

解除ができる場合

  1. 法定解除
  2. 約定解除
  3. 合意解除

法定解除とは?

法律により解除権が発生することを言います。
例えば、債務不履行が生じると、債権者は債務不履行に基づいて解除することができます。
例えば、建物に隠れた瑕疵がある場合、善意無過失の買主は瑕疵担保責任に基づいて、契約解除を行うことができます。

約定解除とは?

当事者の契約で、どのような場合に解除権が生じるかをあらかじめ定めている場合に、その定めによって生ずる解除権を言います。

例えば、住宅ローンを利用して新築建物を購入する契約を締結する際に、「ローン不成立の場合は売買契約を解除できる」旨の特約をした場合、もし、ローン不成立になったら、買主は契約解除ができます。

合意解除とは?

契約が継続している途中で、当事者が協議して契約の解除を合意する場合をいいます。

例えば、契約期間2年として建物賃貸借契約を締結した場合において、1年後に、貸主と借主の双方の話し合いによって、契約途中に契約解除することができます。

解除権の行使の仕方

どのようにして解除権を使うのか?(行使するのか?)
それは、解除権を有する者が相手方に「解除します!」と意思表示によって解除をすることができます。(単独行為)
つまり、一方的な意思表示により解除権を行使することができ、相手方の承諾は不要です。

当事者の一方が複数いる場合

当事者の一方が数人ある場合、解除は、全員(解除する側)から全員(相手方)に対してしなければなりません。(解除権の不可分性

例えば、売主A・Bが共有する土地を買主C・Dが購入する契約をし、買主側から解除する場合、C・Dが共同して、A・B双方に解除する旨を伝える必要があります。

また、もし複数人いる解除権者のうち誰かが解除権を放棄した場合には全員の解除権が消滅することになるのです。(解除権の不可分性

解除の効果

解除が行われると、契約は初めからなかったものとみなされ、当事者双方に「原状回復義務」が生じます。この原状回復義務は同時履行の関係になります。

たとえば、売主Aが所有する土地を買主Bが購入する契約をし、「土地の引き渡し」および「代金の支払い」を終えた後に、解除が成立したら、売主Aは代金を返還し、買主Bは土地の返還をしなければなりません。この売主Aの代金返還債務と買主Bの土地返還債務は同時に行う必要があるということです。

■注意

  • 返還するものが「金銭」の場合は、受領してからの利息をつけて返還する必要がある(上記事例でいうと、売主は利息をつけて返還する必要がある)
  • また、給付されたものから生じる果実使用利益も返還する必要がある(上記事例でいうと、買主は土地の賃料相当分を返還する必要がある)

契約解除と損害賠償の関係

契約解除をしても損害が生じていれば、別途、損害賠償額を請求することができます。

解除権の消滅

下記のように一定の事由が生じると解除する権利が消滅してしまいます。

  1. 催告による解除権の消滅
  2. 解除権者の行為等による解除権の消滅
  3. 時効による解除権の消滅

催告による解除権の消滅

解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅します。

解除権者の行為等による解除権の消滅

解除権を有する者が「自己の行為もしくは過失」によって「契約の目的物を著しく損傷し、もしくは返還することができなくなった」とき、または「加工もしくは改造」によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅します。これは、原状回復義務を行うことができなくなるからです。

時効による解除権の消滅

解除権の時効期間は10年です。(判例)

履行遅滞による解除

期限の定めがある場合

債務者が、期限が経過したにもかかわらず、自己の責に帰すべき事由(債務者に責任があること)によって債務を履行しないときは、債権者は、相当な期間を定めて履行を催告し、期間内に履行がない場合に解除権が発生する。
イメージとしては相当期間を与えることで、最後のチャンスを与えるイメージです。

期限の定めがない場合

期限の定めのない債務は、債務者の履行の催告によって履行期となるから、再度催告は不要です(判例)。

例外

定期行為の場合は無催告解除も可能です。定期行為とは、 結婚式当日に用いるドレスの貸借などのように、一定の時(結婚式当日)までに履行しなければ契約目的を達することができない行為を言います。これを過ぎてしまったら、ドレスはいらないですよね・・・だから、結婚式が過ぎたら、無催告で解除できるわけです。

履行不能による解除

履行不能の場合は、そもそも履行することが不可能なので、催告なしに直ちに契約解除ができます。