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借家権

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借家権とは?

借家権とは建物の賃借権のことです。
明らかな一時使用や使用貸借は借地借家法が適用されません。

借家権の存続期間

建物賃貸借契約の存続期間の規定はありません。自由に期間を設定できます。
ただし、1年未満で定めると、存続期間の定めのない契約とみなされます
土地の賃貸借契約(借地権)の存続期間は最初は30年、次は20年、それ以降は10年です。
比較してきちんと覚えておいてください。

借家契約の終了および更新

存続期間を定める場合

当事者が期間満了1年前から6ヶ月前までに更新しない旨を通知したとき、当初定めた存続期間で終了します。
また、「更新しない旨の通知しなかった場合」や「条件変更通知をしなかった場合」、「賃貸人が意義を述べない場合」は従前と同一の条件で更新したものとみなします。
ただし、存続期間については同一の条件とはならず、期間の定めのない賃貸借となります。

賃貸人が更新拒絶する場合、正当な事由がなければ更新拒絶をすることができません。
一方、賃借人からの更新拒絶は正当な事由は必要ありません。

更新拒絶などをして、借家契約が更新されていないのに、
賃借人が使用継続し、それについて、賃貸人が遅滞なく異議を述べない場合、従前の契約と同一の条件(存続期間は除く)更新したものと見なします。この異議には正当な事由は不要です。

存続期間を定めない場合

当事者はいつでも解約の申し入れができます。ただし、賃貸人から申し入れをする場合には正当な事由が必要です。

  • 賃貸人は申し入れから6ヶ月を経過をしたとき
  • 賃借人は申し入れから3ヶ月が経過したとき

賃貸借契約は終了します。
こちらも、異議を述べない場合は同一の条件で更新したものとみなされます。

建物が滅失した場合

建物が滅失した場合、建物賃貸借契約は当然に終了します。
注意が必要なのは、建物が滅失しても、借地契約は当然に終了しません。

借家権の対抗要件

借家権を第三者に対抗するためには以下のいずれかに該当しなければなりません。

  1. 借家権の登記
  2. 建物の引渡し(賃借権の登記不要)

借家権の登記をす るためには大家の承諾が必要です。一般的に、大家は承諾してくれません。
それでは、賃借人を保護できないので、
登記がなくても建物の引渡を受けていれば第三者に対抗できると借地借家法で規定しました。

借家権の譲渡・転貸

転貸とは、簡単に言えば又貸しのことです。
賃借権を他人に譲渡することを言います。

宅建:借家権の譲渡・転貸の例

例えば、
A所有の建物をBに貸したとします。
始めはBが建物に住んでいたのですが、母の体の様態が悪くなり
実家に戻ることになり、他人に貸そうとしました。
たまたまCが、Bの借りていた建物に住みたいというので、
Bが貸主、Cが借主となって賃貸借契約を結んで、 CがA所有の建物に住むことになりました。
この場合、Bは賃借人でもあり、転貸人(又貸しの貸主)でもあります。

そして、転貸で重要なポイントの一つは
賃貸人の承諾がなければ、転貸してはならないということです。

違反した場合はどうなるか? が問題となります。

賃借人(B)に背信的行為(裏切り行為)と認められる特段の事情がなければ
賃貸人Aは契約解除することができません。

この点がよく試験に出題されます。
逆に言えば、賃貸人の承諾なく転貸しても、背信的行為と認められなければ解除されないということです。

例えば、
自分(賃借人)が旅行に行っている1週間の間、
知り合いに貸すくらいであれば、背信的行為とは認められず、解除されません。

ちなみに、借家権については、借地権のような裁判所の許可制度はありません。

建物明渡猶予制度

抵当権に対抗することができない賃貸借について、抵当権の実行による競売がなされた場合に、賃借人は競落人の買受の日から6ヵ月間に限り、当該不動産を明け渡さなくてよいです。

造作買取請求権

造作(ぞうさく)とは、建物に設置された物で取り外しが簡単なものをさします。
例えば、「畳、建具、エアコン」などがあり、造作は賃借人の所有となります。

それゆえ、賃貸人の同意を得て付加した造作については
賃貸借が終了する時に、賃貸人に対して、
「このエアコン買い取ってよ!」
と請求することができます。
これを造作買取請求と言います。

  • 請求できる時期は、期間満了時解約申入れによって終了する時期です。
  • 請求金額は、造作の時価です。
  • 造作買取請求を排除する特約は可能です。

建物買取請求権とは違うので比較して覚えてください。

簡単に説明すると、
建物買取請求権は、
土地の賃貸借について、借地権者が地主に対して、建物を買い取って!という権利

造作買取請求権
建物の賃貸借について、借主が貸主(オーナー)に対して、造作を買い取って!と言う権利
を言います。

同時履行の抗弁権と留置権

造作買取請求権は造作に関して生じた債権であり、 建物の賃貸借に関して生じた債権ではありません。
なので、造作に関わる代金を賃貸人(オーナー)が支払わないからと言って、 建物の明渡しを拒むことはできません。
つまり、同時履行の抗弁権を主張できないということになります。
少し、難しい話なので、分かりやすく解説致します。 下図を見てください。

造作買取請求賃借人はエアコンを賃貸人の同意を得て、設置(付加)しました。
なので、賃貸借契約終了時にエアコン設置費用を返して!と 造作買取請求権を主張しました。 賃貸人は先に明渡してよ! と明渡請求権を主張しました。
ここで、双方の主張をお互いが同時に履行しましょ! ということを、同時履行と言い、 相手が履行しないのであれば、私も履行しないよ! というのが、同時履行の抗弁権と言います。

今回の場合、大家さん(賃貸人、オーナー)が明渡しをしろと言われたら、 賃借人は明渡しを拒むことができません。 なぜなら、明渡しをしないことによる大家さんの損害(毎日不払い賃料が増えていく)と エアコン代金が返ってこない賃借人の損害(5万円程)とを比べると、 大家さんの損失のが明らかに大きいということで 賃借人は同時履行の抗弁権を主張できない と判例で出ています。

有益費

話は戻るのですが、
造作は取り外しが簡単なものであるが 取り外しが難しいものの費用は何になるかというと?
有益費になります。
有益費は、張り替えた外壁のタイル、張り替えた床板など建物と一体化したものを指します。 つまり、建物と一体化して、そのもの自体独立した物ではないということです。 この有益費を請求することを有益費償還請求権と言います。

借家権(居住用建物)の承継

居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、事実上の夫婦または養親子と同様の関係にあった同居者がいるときは、その同居者は、借家権を承継します。

ただし、その同居人が賃借人が相続人なしに死亡したことを知ってから1か月以内に、賃貸人に反対の意思表示(もう住みません!)をした時は承継されません

定期建物賃貸借(定期借家権)

存続期間の更新がない賃貸借契約です。
土地の定期借地契約と同様に、この特約も書面で行わなければなりません。

そして、定期建物賃貸借契約をする場合、建物の賃貸人あらかじめ、建物の賃借人に対して、「更新がなく、期間満了で契約が終了すること」書面を交付して説明しなければなりません。
この説明をしなかった場合、契約更新がないこととする旨の定めは無効となります。

期間満了の通知

契約期間が1年以上の場合は建物賃貸人は、期間満了の1年前から6ヶ月前迄(通知期間)に、賃貸借契約が終了する旨の通知をしなければ、契約終了を賃借人に対抗できない。
つまり、通知期間内に通知すれば、存続期間満了時に契約終了します。

ただし、建物賃貸人が通知を忘れていて、存続期間の6ヶ月を超えてしまった場合、通知の日から6ヶ月経過するまでは、賃貸人は賃借人に対抗できず、6ヶ月経過をすれば、「出ていけ!」と賃借人に対抗できます。

宅建:定期建物賃貸借の契約終了